飽くなき探求心

輝きを放っていきいきと働くセリオの社員、
今回は、“数学をこよなく愛し、その深さは社内で右に出る者のいない!
そんな入社10年目の社員、佐藤さんのご紹介です。

 社員コラム_飽くなき探求心1

佐藤さんの”数学愛”について遡ると、そもそも小学校入学間もないころへ。
算数が好きだった佐藤さん。算数から数学へと進み、数式や曲線に“美しさ”を感じます。
その「理論」と「感性」という、相反するものたちの魅力にとらわれ、探求心を強くしていったんだそうです。
大学ではもちろん数学科に進み、その執着のまま修士まで続けた“方程式の性質”に関する研究。数字や記号を扱うものでありながら、その性質(動き)を研究しているとそれらがまるで“生き物”のように感じられるんだとか。

セリオへは、数学の知識が有用である「CAD」の開発に携わることを希望し、入社に至りました。
そして、岡山、名古屋で少し過ごしたあと、東京での仕事に移り、CAD/CAMソリューション技術を核とする日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社(UEL)様のメカニカルシステム開発本部コアシステム技術部形状技術グループで業務に携わり、今では6年が経ちます。
佐藤さんが開発する「CAD(computer-aided design)」とは、「ものの形」をコンピューター内に数値モデルとして作成するための支援ツールを意味しますが、数学、物理の専門知識とは隣り合わせです。多くのフェーズが存在する現在の開発プロジェクトの中でも、佐藤さんは一番根底の計算部分の開発を担当しており、数学と深くつながる至福の時間でもあります。
必要な“幾何学”の知識は、この業務をはじめてから独学で深めてきました。
優秀なエンジニアの方が多く在席するそのチームで受ける高い刺激を、素直に正面から受けることで、技術者として、そして一人の人間として大きく成長してきたことが伺えます。
この職場そのものが佐藤さんにとっての幸福そのものなのです。

 

さて、みなさんの趣味はなんですか?

業務と向き合う時間以外でも、一時間の通勤時間も含めていつも数学のことを考えている佐藤さん。物理も好きで、それらに思いをはせる時間は、スポーツや映画鑑賞などにいそしむ周囲の人と何ら変わらず、計算に没頭し、法則をみつけようと思いを巡らすことで、充実以上の喜びを感じるそうです。

そして、想いを同じくする方と波長が合い、ひかれあうのは自然なこと
同じ職場で働き、数学への想いを同じくするUELの清水様との出逢いが、佐藤さんを大きく変え、もっともっと数学の世界へとのめり込ませ、研究という形になるにまで至らせます。

 

社員コラム_飽くなき探求心2

 

業務以外でも数学の理論や方程式について語り合う日常の中で、清水様が偶然発見された仮説を聞かせてもらい、面白いと思ったことをきっかけに、プライベートでの研究が始まりました。
「工業製品の意匠的な曲線・曲面形状作成技術に関する理論的な研究」
つまり、“美しい”とされる曲線・曲面を、偶然ではなく数学の理論をもってシステマティックに生み出すことのできる技術。これについて、2014年度から清水様とともに考察を進めています。

社員コラム_飽くなき探求心4そして、その研究が企業・産業活動において実用的なものであることが認められ、清水様が代表者を務めた2015年度 九州大学 IMI(マス・フォア・インダストリ研究所)の共同利用研究プログラムに参加し、2015年10月、2016年1月のそれぞれ1週間ずつ、IMIで研究に携わりました!
IMIとは、「数学、数理科学」の分野において、共同研究、人材輩出、支援など様々な事業を行っている研究所です。高度テクノロジーのほぼすべてにおける礎石である「数学、数理科学」。多くの科学技術分野において現在、その研究人材はかつてないほど必要とされており、国際的なその需要に応える、アジア初の産業数学の研究所として設立されました。
IMIの理念のひとつ、“産業の困難や問題を、数学の力で解決する”
これに、清水様と研究している内容やその目的が合致したのです。

佐藤さんは現在まで、自動車の設計に使われるCADを開発してきましたが、車体の曲線や曲面を美しく描けるかどうかは、一般ユーザーを魅了するデザイン性をもつ車をつくることができるかに、大きく影響します。そうして、一見関係のないように見える数学の研究と、今取り組んでいる業務とが、少しずつつながってくるかもしれないのです。

 

一緒に研究に取り組む清水様は、東京大学で客員教授のご経験もあるほどの方で、60歳を過ぎても現役のエンジニアとしてご活躍です。立場も、年齢も全く違う二人が研究を進める中で、時には衝突することもあるんだとか。二人とも、本気だからゆえの光景が、目に浮かぶようです。
そこまでに辿り着くと、周りからも一目置かれ、パートナーとして認めてもらえる部分が生まれ、お互いに刺激し合える関係になっていけるのでしょう。
そこには、所属、年齢、学歴のようなものを一切壁としない空間と尊厳が生まれるのかもしれません

いち企業人としても、ひとりの人間としても、人との出逢いがもたらす影響には計り知れないものがあります。
それらを逃さずチャンスに変えるだけでなく、自らが引き寄せるに至るには、その人がもつもの- 目に見える物質、また知識や経験も去ることながら、“こう働こう”、“こう生きよう”という、佇まいにあるのではないかと思わされます。それほどまでに、佐藤さんの謙虚でまっすぐな熱を、接するわたしたちは感じずにはいられません。

社員コラム_飽くなき探求心3研究以外でも、常に勉強はしています
と、嬉しそうに笑顔で語る佐藤さん。
「勉強」という言葉から連想されがちな“忍耐”や“苦労”とは無縁の、知的好奇心を追い求め続ける佐藤さんのキラキラは、本当にまっすぐで、これまでに重ねてきた深みを感じました。
佐藤さんにも苦手なことだっていくつかあるでしょうが、それらとは比にならない強みの徹底追及は、社内でも群を抜いているひとりでしょう。

「勉強することは武器。そして誰にでも許されている権利です。」
と、芯から穏やかに話してくれる佐藤さん。

誰に止められることもなく好きなだけ時間を費やし
知的好奇心を満たしても満たしてもまた欲し
それによってたくさんのことが“わかる、できるようになる”喜びと
得ていく自信たち

それこそが、「セリオで求める人財のひとつの姿」だと言えます。

 

社員コラム_飽くなき探求心5数学という、新しい理論、方程式をみつけていくこと。
アカデミックで、一見仕事に結びつかず、利益をもたらさないように見えるかもしれないこれらに時間を費やすことを、またそれらを応援することを、会社も惜しんだりはしません。
知識への欲求をあと押しし、そこで身につく知識や経験を評価し、ひとつの点(ドッド)がいつか本人の成長(点をつなぐ線)へとつながる未来を感じることが、会社にできる唯一のことかもしれません。

さて、研究自身は、今年-2016年9月に開催される、精密工学会秋季大会に講演をエントリーしたり、JSIAM(一般社団法人 日本応用数理学会)のJsiam Letters誌に論文が採択されているなど、精力的に活動を続け、留まることを知りません。
http://jsiaml.jsiam.org/jsiaml_Announcement-ja.html
上記URL「掲載予定論文」Generalization of log-aesthetic curves by Hamiltonian formalism: Masayuki Sato and Yasuhiro Shimizu

「二年ほどかけてようやく実際の業務(CAD)につながってきたところ。」
まだまだこれからが面白いところなようです。

そして、今年度の秋にも、IMIで開催される関連テーマの短期共同研究に参加させていただけるそうです!
今年度は、近しい研究に携わる7~8名が集まり、より高度な研究に取り組みます。
そんな佐藤さんは、実は集まるメンバーのうち最年少なんです!
指導を受けたい先生や、刺激を受け合える同志たちと、一日中大好きな数学のことを考えていられる、今からすでにとてもワクワクして止まらない様子です、笑。

「このような経験が積めていることは、運がいいに尽きます。
ただ、運を得るためには努力が必要ですね。」

この謙虚な中にひっそりと灯る灯火は、きっと消えることなく佐藤さんをキラキラへと導き、それがセリオにとっても、みんなの道しるべとして、煌々と輝き続けてくれるんだと思います。

 

文字や記号といった無機質が愛おしく、曲線や曲面が美しい。
一般的には感じにくいこの感覚を大切にする。
そんな、彼にしか見えないワクワクの世界。

社員コラム_飽くなき探求心6

「自分で考えたものが現実世界の役に立つ。
そう思うと楽しくてたまらないし、やりがいがあるんです。」

佐藤さんのますますのキラキラに、これからも期待は膨らむばかりです。